埼玉県の保育園の特徴

都心のベットタウンとしても人気の埼玉県。2018年の厚生労働省の調べによると、埼玉県内の保育施設の数は1,868園であり、東京都、神奈川県に次いで3番目に多い県です。待機児童数は1,552人。待機児童の人数も全国で4番目に多く、保育園に数は全国的に見るとと多いけれど、まだまだ足りていないことが実情です。

【参考】厚生労働省　「保育所等関連状況取りまとめ」
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000350592.pdf#search='%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD+%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%9C%92%E6%95%B0'

さいたま市のナーサリールームと家庭保育室とは？

保育園の需要が高い埼玉県ですが、その中でも埼玉県の県庁所在地であるさいたま市は、利用人数が増えているという特徴があります。2018年のさいたま市内の保育園利用人数は、2017年と比べて2,057人の増加。これは、神奈川県の横浜市に次いで2番目に多い増加率です。
さいたま市では、高まる保育園需要に答えるために、市独自の形態の保育施設を誕生させました。それが「ナーサリールーム」と「家庭保育室」です。認可外保育園の中でも、さいたま市が定めた基準を満たした0歳児から5歳児までが利用対象の施設をナーサリールーム。0歳児から2歳児までの施設を家庭保育室として認定し、助成を行っています。
利用する家庭に対しても月額2万円を上限とした補助があるため、施設にとっても利用者にとっても嬉しい制度ですね。

【参考】さいたま子育てWEBナーサリールーム
https://www.saitama-kosodate.jp/shiritai/category8/2011082200538/

埼玉県で働く保育士の給与事情

2017年の賃金構造基本統計調査によると、埼玉県で働く保育士の平均月給は25万7,100円、平均賞与は64万3,200円でした。年収にすると372万8,400円です。給与が高いと言われている東京都の平均が、395万3,500円ですので、そこまで引けを取らない給与事情であると言えるでしょう。実際に求人情報を調べてみると、18万円から22万円の求人が多く見られました。中には初任給が24万円以上という好待遇の求人もあります。また、パート保育士の求人が多い印象も強く、時給1,100円から1,200円の求人が多いことも特徴の1つです。

【参考】平成29年賃金構造基本統計調査
「年齢階級別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001098975&tclass2=000001098977&tclass3=000001098986

埼玉県の保育士求人状況は？

2018年の厚生労働省の調べによると、埼玉県の有効求人倍率は4.76倍。東京に次いで2番目に高いという結果です。保育士を求めている約5園に1園しか保育士を雇えないという状況を表しています。深刻な保育士不足であると言えるでしょう。そのため、できるだけ好条件を提示し、保育士を確保しようという保育園が増えてきています。給与面だけではなく福利厚生を充実させたり、年間休日を増やすなどの工夫をしている園も多くありますので、注目してみると良いでしょう。

【参考】厚生労働省　「保育士確保集中取り組みキャンペーン概要」
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/jinzaikakuho_torikumi.files/kakuho.pdf#search='%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E9%83%BD+%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%A3%AB+%E6%B1%82%E4%BA%BA%E5%80%8D%E7%8E%87'

埼玉県の保育士確保の取り組み

埼玉県では、保育士確保のために県や市独自の制度を取り入れています。さいたま市とそれ以外の市では制度内容に異なる部分がありますので注意しましょう。

さいたま市以外の埼玉県内の取り組みとしては、保育士を目指す人、潜在保育士、子育て中の保育士への支援があります。
保育士を目指す人への支援としては、「保育士修学資金貸付」。保育士を目指して保育士養成校に通う人に対して月額5万円までの貸付、入学金と就職準備金として、それぞれ20万円までの貸付を行います。埼玉県内の保育施設に5年間勤務することで、返済免除です。

潜在保育士への支援としては、1年以上のブランクがある人が埼玉県内の保育施設に復帰するときに、「就職準備金貸付」として20万円の貸付。子育て中の保育士への支援としては、未就学児を持つ保育士が埼玉県内の保育施設で働く場合には、「保育所復帰支援貸付」として月額2万7,000円を上限に保育料の半額が貸してもらえます。
どちらの制度も埼玉県内の保育施設で2年以上働けば返済が免除となりますので、ぜひ利用したい制度ですね。

【参考】埼玉県保育士修学資金等貸付事業実施要綱
file:///C:/Users/kikkawa%20kumiko/Downloads/hoikujissiyoukou.pdf

さいたま市の保育士確保の取り組み

さいたま市では、市独自の取り組みとして、「保育士修学資金貸付」「就職準備金貸付」「保育所復帰支援貸付」の他に、保育士宿舎借り上げ支援事業や保育士の子どもが優先的に保育施設を利用できる制度、給与の上乗せ補助など、様々な制度を取り入れています。
また、県外の保育士を目指す人を対象に、さいたま市内の保育園を巡る「保育体感ツアー」の実施も。さいたま市内で働く保育士を確保するために、市内で保育士として働くことの魅力をアピールするという取り組みも見られます。

【参考】さいたま市　保育の仕事に興味のある方に向けたご案内
https://www.city.saitama.jp/003/001/015/001/p048243.html

「さいたま市保育体感ツアー事業」 の実施について
https://www.city.saitama.jp/006/003/003/010/009/p054727_d/fil/0720gidaisetumei02.pdf#search='%E3%81%95%E3%81%84%E3%81%9F%E3%81%BE%E5%B8%82+%E4%BF%9D%E8%82%B2%E5%A3%AB%E7%A2%BA%E4%BF%9D+%E5%8F%96%E3%82%8A%E7%B5%84%E3%81%BF'

埼玉県で転職先を探すときのポイント

待機児童が多く、保育士の有効求人倍率も高い埼玉県。隣接している東京都の方が給与条件が良いこともあり、保育士の県外への流出も危惧されます。そのため、県を挙げての保育士確保のための取り組みや、各園が好条件を提示しているなどの特徴も。保育士にとっては、より良い条件で働ける県であるとも言えるでしょう。園見学やバスツアーなども利用して、待遇だけではなく、園の雰囲気や保育方針が自分に合った園を選ぶことをおすすめします。