今後の保育業界で「生き残っていける」保育士像

今後の保育業界で「生き残っていける」保育士像

託児から幼保へ。時代とともに変動してきた保育と同時に、保育士のあり方も変化してきました。 待機児童問題・ライフワークバランスが叫ばれる現代社会の中で、 「子育て世代の救世主」として保育士の重要性が再認知されてきています。 今後最前線で活躍できる保育士とはどういった素養が必要となるのでしょうか?

小規模保育の定義や、保育内容の違い

待機児童解消や保育士不足を補う為、政府でも保育士確保の制作を打ち出していますが、「数としての保育士拡充」を主とする、一時的で即効性を求めた対策が中心です。 「質の高い保育士育成」「保育士の処遇改善」は後回しにされているのが現状です。しかし近年、保護者をはじめとする働く子育て世代から「子育てと仕事の両立ができない、 日本の保育の在り方」事態を疑問視する声も高まっています。政府はこれら保育環境の改革を、重要な問題と位置づけ、抜本的な改革に向けて動きだしています。
そのことから保育士は今後、「多様化する社会により、保育において今よりも高い専門性と知識・技術が求められるようになるが、それに見合った処遇改善、地位向上が行われ、 長く働き続けられる魅力的な環境づくりへの対応が行われていく」未来へと変わって行きそうです。

障がい児保育の有り方

近年障がい児保育への理解が深まり、保育園でも障がい児と健常児が共に過ごせる環境整備が進んでいます。 行政が「障がい児枠」という規定を設けている保育園も一般的になってきています。障がい児や療育に対する理解が広まる一方、 保育の現場では障がい児保育へのむずかしさが取りざたされています。受け入れを行なっている保育園では、保育士の加配を行ない、 フォロー体制を整えていますが、現場レベルでは保育の余裕がなくまだまだ対応が追いつかないと言う事態もあるようです。
また健常児として入所してきた子どもであっても、後の保育園生活で発達障害などが疑われるケースもあります。その際、保護者への伝え方や今後の対応も、保育士にとって難しい課題となっています。障がい児保育においては、 今後さらに医療・福祉との連携が必要となってくるでしょう。その時に子どもたちに最適な援助や支援ができる保育士は、今後さらに必要性が高まってくることでしょう。

保育の多様性

最近の保育はニーズに合せ様々な広がりを見せています。保育園での保育も画一的なものではなく、 体力作りに重点を置いている・幼稚園と同等の教育的要素を取り入れている等、園の独自性が垣間見えます。待機児童対策のための乳児の小規模保育に加え、 大規模園では幼保一元化の名のもと保育園・幼稚園の、認定こども園への移行が始まっていますし、保育士以外にも保育ママやベビーシッター、チャイルドマインダーなど、 保育園よりもっと小規模で家庭的な保育サービスも盛んになってきました。
それだけ多くの多様性が必要となって来ている保育業界。これからも一つ一つの家庭に合せて、さらなる需要が拡大されていくことでしょう。 それだけにその多様な保育に対応できるオールマイティな保育士は、どんどん活躍できる場が広がってくると思います。

今後の保育士に求められる事は「保育士としての応用力」になるかと思います。
その昔、女性の社会進出の為の託児施設として機能していた「保育園」ではなく、子育て家庭への支援や幼児期の発達・教育において重要な役割を持つ存在として姿を変えて来た「保育園」。 その流れを見ると、今後の保育士の地位向上・重要性の認知は必ず大きなものとなってくるでしょう。「デキる保育士」として生涯一線で活躍し続けるためにも、 いち早く社会情勢をキャッチし、時代の保育ニーズに対応できるよう保育のプロとして成長し続けたいものですね!
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