認定こども園への転職～保育士資格だけでも転職は可能？

認定こども園とは

まずは認定こども園の特徴について見ていきましょう。

認定こども園には大きく分けて4つの種類があります。

1. 幼保連携型認定こども園

幼稚園と保育園が連携して運営を行うタイプ

1. 幼稚園型認定こども園

認可幼稚園が保育時間を伸ばすなど、保育所的な機能を備えて運営するタイプ

1. 保育所型認定こども園

認可保育園が、保育認定（両親の共働きなど）を受けていない子どもも受け入れ、幼稚園的な機能を備えて運営するタイプ

1. 地方裁量型

幼稚園、保育園以外の地域の教育保育施設が、認定こども園としての機能を備えるタイプ

利用する子どもは1号認定と2，3号認定に分かれます。全ての子どもがどのタイプの認定こども園でも利用できますが、1号認定は3歳以上児で教育標準時間の利用です。

いわゆる幼稚園に通う子どもと同じ時間帯ですね。2号認定は3歳以上児で保育認定。3号認定は3歳未満児で保育認定です。

同じ施設に通う子どもであっても、認定区分によって利用できる年齢や時間が異なります。

保育士資格だけでも認定こども園で働ける？

保育園では保育士資格を持っていれば、保育士として働くことができます。

では、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園は、保育士資格だけで働くことが可能なのでしょうか？その答えは、認定こども園の種類によって違います。

1. 幼保連携型認定こども園

幼稚園教諭と保育士資格の両方が必要。保育教諭と呼ばれる。

1. その他の認定こども園

3歳未満児は保育士資格が必要。3歳以上児は幼稚園教諭と保育士資格の両方を持っていることが望ましい。

このように定められています。

幼保連携型以外の認定こども園では、3歳未満児を担当する場合には保育士資格のみでも働くことが可能です。3歳以上児であっても、両方を持っていることが望ましいですが、必須ではありません。

実際に認定こども園の求人を見ていると、「保育士資格と幼稚園教諭の両方を持っている方を優遇。ただし、保育士資格のみでも可。」という求人を多く目にします。

一方、幼保連携型認定こども園は、保育士資格だけでは働くことができないという結果でした。

しかし、実はこれには特例措置があります。

認定こども園について定められた「子ども・子育て新制度」の施行から5年間は、特例措置としてどちらか一方のみの保有でも保育教諭として働くことが可能なのです。

子ども・子育て新制度は2014年の施行ですので、2019年の3月までということになります。

一方の資格のみで働く保育教諭が多いことから、特例制度をさらに5年間延長し、2024年の3月までとするという案も出されています。

【参考】内閣府　新制度施行後５年の経過措置に係る事項の 対応について

幼保連携型であっても、特例措置の期間中は保育士資格のみで働くことが可能であるということですね。

幼保連携型認定こども園で働き続けるためには

保育士資格のみでは、特例措置経過後は幼保連携型認定こども園で働くことはできません。

せっかく勤め始めても、資格がなくなって退職という事態は避けたいですよね。そうならないために、条件を満たせば認定こども園で働きながら幼稚園教諭の免許を取得することも可能です。

条件は2つ。

1. 保育所などで3年以上の実務経験があること

1. 資格取得に必要な8つ単位を取得すること

もちろん認定こども園での経験も実務経験と認められますので、2年間保育所で勤務し、認定こども園に転職。1年の勤務経験があるという方も認められます。

8つの単位を取得するためには、大学などでのカリキュラム受講が必要です。

ただ、特例措置に該当しない場合には、幼稚園教諭一種の免許を取得するために59単位。

二種の免許を取得するために39単位の取得が必要ですので、かなり単位数が軽減されていることが分かります。

今後も認定こども園で働くことを考えると、特例措置が施行される間に幼稚園教諭免許を取得することも選択肢の1つですね。