爪の噛み癖が治らない子どもへの対応

子どもの気になる癖の1つである爪の噛み癖。指しゃぶりが年齢と共に減少していくことに対して、爪の噛み癖は乳児期よりも幼児期に多くみられる行動なので、年齢が上がるにつれて気になる子どもは多くなります。どうして爪を噛むことが癖となるのか。その原因と対応方法をご紹介します。

爪の噛み癖が起こる原因

爪の噛み癖は子どもの心の状態に大きく影響されます。 例えば自分の思いが通らない苛立ちや、自分でやりたいことができない不満。大人からの愛情を十分に感じることができない寂しさからも爪の噛み癖は起こります。イライラした気持ちや寂しさによるストレスを口の中に指を入れて爪を噛むという行動で、無意識に落ち着かせようとしているのです。

今までは爪を噛む癖がなかったのに、突然爪を噛み始めたという時には環境の変化が影響している場合もあります。例えば、下に兄弟が産まれて両親の愛情を一身に受けられなくなった。両親の仕事が忙しくなり、触れ合う時間が減った。進級する事で保育士が変わり、不安な気持ちを抱えている。など多くの時間を過ごす家庭や保育園での環境が大きく影響します。

爪を噛むタイミングとしては、テレビを見ている時や絵本の読み聞かせ中、集団活動の中で遊びを待っている最中などに多く見られます。主に手持無沙汰の時です。

子どものストレスを軽減してあげる

子どもが爪を噛んだ時にやめる様に声を掛ける事は逆効果です。その一瞬はやめますが根本的な解決にはなっていないので、またすぐに爪噛みは始まります。何度も叱ることで爪を噛むことがなくなったとしても、チック症など他の症状が出る可能性もあります。

爪を噛むということは子どもの気持ちの表れですので、その気持ちを受け止めてあげてください。年齢が上がるにつれて、保育士と1対1で過ごす場面は減ってしまうと思いますが、余裕のある時に膝に抱いてゆっくりと話をしたりスキンシップをとりながら甘えられる時間を作ってあげましょう。

もちろん子どもにとっては親の愛情が1番ですので、保育士だけでは満たせない部分もあります。しかし、身近にいる大人が自分を受け入れてくれるという経験は子どもにとって大きな安心感に繋がります。保護者に話をする際には困った癖として話すのではなく、「まだまだ甘えたい時期なので、1日に10分思い切り抱っこをしてあげてくださいね」など具体的に伝えると良いでしょう。

 
保護者にとっても保育士にとっても気になる、爪を噛む癖。その行動の裏には子どもの気持ちが隠れています。その行動自体をやめさせるのではなく、子どもの気持ちを受け止めることで子どもの情緒は安定し、自然に癖は軽減されていきます。保育士が正しい知識を身に着け保護者とも連携をとりながら、子どもが安心して過ごせる環境を整えてあげたいですね。