年間指導計画の書き方
年間指導計画は1年間でどのような保育をしていきたいか、子どもの成長を手助けするためにどのような部分に重点を置いて関わっていきたいかという指導案の大元となります。
保育園によっては作成する項目が決まっている場合もありますが、保育所保育指針で定められた教育内容である五領域「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」に沿って作成すると分かりやすいでしょう。
五領域に沿って作成すると分かりやすい
例えば、
- 健康:衣類の着脱や食事、排泄や病気から身を守るための目標を記す
- 人間関係:保育士や友達との関りについて、環境では自然と触れ合う中で自ら発見し関心を持つことを記す
- 言葉:絵本を通して言葉に触れることや自分の思いを言葉で伝えたり相手の言葉を聞くことを記す
- 表現:音楽や製作などを通して自由に感じ、感性を育めるようなねらいを記す
1年間を4期に分け、1期(4,5月)2期(6,7,8月)3期(9,10,11,12月)4期(1,2,3月)で作成することが多く、その時期ごとの子どもの様子とねらいが主な内容です。
大切なことは保育士主体ではなく、子ども主体で作成をすることです。予想される子どもの様子とそれに合わせた保育士の関わりや援助を具体的に記しておくことで、1年間の見通しが立てやすくなります。また季節の行事も合わせて記しておくと、その時期に必要な製作活動や歌、絵本の読み聞かせなどもあらかじめ把握できますのでおすすめです。
月案の書き方
月案は年間指導計画を元にして、より具体的に作成します。項目は園によって定められていることが多く、基本的な項目としては、その月のねらい、予想される子どもの様子、保育士の関わり、保育内容、環境設定、反省・評価で構成されています。保育園によっては、月のねらいを五領域で記す場合もあります。
年間指導計画をより具体的に
例えば、友達との関りの中でトラブルが増えてきた場合
- ●次月のねらい
「自分の思いを言葉や仕草で伝える」と設定 - ●保育士の関わり
「子どもが上手く自分の気持ちを伝えられない時には仲立ちをする」など、そのねらいに沿った援助を考える - ●保育内容:
言葉や仕草で自分の気持ちを伝える内容の絵本の読み聞かせや友達とのやりとりを学べるごっこ遊びを取り入れる など
年間指導計画に沿って作成はしますが、子どもの姿は指導計画に常に沿っているわけではありません。実際の子どもの姿をよく観察して、次の月の月案を作成するようにしましょう。
週案の書き方
週案は年間指導計画と月案を元にしてより具体的な保育内容を作成します。前週の様子、週のねらい、1日ごとの保育内容、予想される子どもの様子、保育士の関わり、環境設定、評価・反省が基本的な項目ですが、保育園によって形式は異なります。
ねらいは月案と前週の様子を踏まえて考え、ねらいに沿った保育内容の設定を心掛けます。また、その週に行事が予定されている時には、行事に向けたねらいを設定することもあります。
月案と前週の様子を踏まえて考る
例えば前週に、給食に苦手な食材が出ると残す子どもが多かったという姿が見られた場合
- ●ねらい
「保育士の援助で苦手な食材にも挑戦しようとする」を設定 - ●保育士の関わり
苦手な食材に挑戦できるような声掛け - ●保育内容
食育を取り入れ様々な食材に触れる機会を設けたり、野菜を題材にした絵本の読み聞かせを取り入れる など
週案は子どもが興味を持っていることや挑戦をすることで成長を手助けできることを、タイムリーに記すことができます。子どもの様子を踏まえて、どんな保育を設定したら子ども達は喜ぶか、成長の手助けができるかということを考えながら作成してみましょう。