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保育施設で発生している死亡事故とは
全国保育団体連絡会と保育研究所が、子どもの権利保障の観点から共同で編集を行っている「保育白書」。2017年版「保育白書」の中に、内閣府より発表された2016年に保育施設で起きた死亡事故の内訳が記されています。
その発表によると、1年間に13件起きた死亡事故の内10件が睡眠中の事故であるということ。そして、13件中11件が0,1歳児であるという事実が記されています。
この状況を見ていると睡眠中に乳児が突然死亡する「SIDS(乳幼児突然死症候群)が多くの割合を占めている様に感じますが、死因としては病死が4件、そして原因不明が9件となっているのです。その理由としては、死亡した原因がはっきりと究明されていないことがあげられます。
睡眠中の事故を未然に防ぐ為の睡眠チェック
睡眠中の事故は、保育士が気付いた時にはすでに亡くなっていたという状況で多く発生します。気を付けて見ていたつもりでも、目を離した少しの時間で起きてしまう事故。 では、その少しの空白の時間を作らない為にはどうしたら良いのでしょうか?
0,1歳児は5分ごとのチェックを徹底
まずは、必ず睡眠チェックをすること。0,1歳児は5分ごとに息をしているか、体調に変化は見られないかという事を確認し、書面に残しましょう。誰がチェックしていたかということを明らかにする為に、保育士のサインも必要です。
午睡中には連絡帳の記入をしたり、会議があったりと睡眠チェック以外の仕事もあるかと思います。そんな時には必ず「〇〇さん、睡眠チェックの続きをお願いします」と名指しで睡眠チェックを他の保育士に頼みましょう。誰かがしてくれるだろうという考えは危険です。
体調不良の子どもの把握
0,1歳児は複数担任である場合が多いと思いますので、少なくとも担任の中で1人は睡眠チェックを担当する様にすると安心です。クラス会議などがあり、他のクラスの保育士に睡眠チェックをお願いすることもあるかと思いますが、そんな時には子どもの体調や様子を細かく伝えてから引き継ぎましょう。
鼻水や咳が多く出ている子どもの場合には、咳から嘔吐し事故に繋がる可能性もあるからです。普段の子どもの様子や体調を詳しく把握している担任だからこそ気付けることもありますので、他のクラスの保育士に任せきりにしてしまうのではなく、時々様子を見に行くことも大切です。
うつ伏せ寝を防ぐ為には
2016年に発生した睡眠中の死亡事故10件の内、4件がうつ伏せ寝をしている状態であったと内閣府は発表しています。うつ伏せ寝の危険性は何年にも渡って保育施設に通達され、ほとんどの施設ではうつぶせ寝を防ぐ努力がされていることでしょう。 しかし、それでもうつぶせ寝の状況での事故は起きてしまっているのです。ではなぜその様な状況に陥ってしまうのでしょうか?
入眠後、仰向けにする
その理由は、仰向けにすると子どもが起きてしまう、うつ伏せの方がよく眠るという保育士の認識が引き起こしている可能性があります。
確かに、自宅でうつ伏せで眠ることがくせになっている子どももいます。しかし、自宅でうつ伏せで眠っているからと言って、保育施設でも同じように寝かせることはできません。うつ伏せで入眠したとしても、眠りについたら必ず仰向けにします。初めはすぐに起きてしまうかもしれませんが、うつ伏せになってしまう度に仰向けに戻しましょう。保育士の胸にピタリと抱き寄せてから仰向けにすると比較的目覚めずに仰向けにすることができますよ。
保育士同士の声かけ
もしも、うつ伏せの方がよく眠るからという理由でうつ伏せで眠らせようとしている保育士がいたら、先輩保育士であっても間違っているという言える勇気を持ちましょう。直接言い辛かったら、園長や主任から伝えてもらっても良いですね。
気持ちよく寝かせてあげることは大切ですが、命を守ってあげることはそれ以上に大切な保育士の役割です。