認可を受けた事業所内保育施設とは
事業所内保育園は、以前は全て認可外保育施設(無認可保育園)でした。しかし、2015年に施行された「子ども・子育て支援新制度」の「地域型保育事業」の1つである「事業所内保育事業」によって、国が定めた基準を満たすことで市町村の認可を受けられるようになりました。
認可施設になるということは、国や市町村からの補助が受けられるということです。補助を受けることで、安定した運営が可能となります。
事業所内保育事業で認可を受けた保育施設は、従業員の利用以外に地域の家庭が利用できる「地域枠」の設置が義務付けられていることも特徴の1つです。
保育園を必要としている家庭へのメリットはもちろんですが、安定した園児人数が確保できることは、企業側のメリットでもあります。
仕事をする保育士にとっても、安定した運営状態の元で安定して働くことができることはメリットだと言えますね。
事業所内保育園の認可、無認可の割合は?
2016年4月の厚生労働省の調べによると、事業所内保育事業により認可を受けた保育施設は、全国に323園あります。
【参考】厚生労働省 地域型保育事業の件数について(平成 28 年4月1日現在)一方、無認可の事業所内保育施設は、2016年3月の時点で4,561園。2016年の時点では、無認可の事業所内保育施設は認可を受けた事業所内保育施設の約14倍設置されているということがわかります。
認可施設は無認可施設の10分の1以下という結果ですね。
【参考】厚生労働省 平成 27 年度 認可外保育施設の現況取りまとめこの結果からは、事業所内保育園のほとんどは、無認可保育園と言っても過言ではありません。
しかし注目したいのが、2015年4月の段階での認可を受けた事業所内保育施設の件数が、150件であることです。1年で倍以上に増えているのです。
【参考】厚生労働省 地域型保育事業の認可件数について(平成 27 年4月1日現在)2016年以降の事業所内保育事業の件数に関するデータがありませんが、認可基準を満たすことで今後も認可を受ける施設が増加することが予測できるでしょう。
無認可保育園の中でも補助を受けられる施設があるって本当?
無認可施設の多い事業所内保育園ですが、2016年に開始された、「企業主導型保育事業」によって、認可施設に劣らないほどの補助が受けられるようになった施設があることをご存知でしょうか?
企業主導型保育事業とは内閣府が企業のために制定した制度で、認可外保育施設という位置づけですが、安定した運営が可能となる助成を受けることができます。
事業所内保育事業よりも基準が緩やかなため、助成が受けやすいことも特徴の1つです。
内閣府から委託を受けて企業主導型保育事業を運営する、公益財団法人児童育成協会によると、平成31年3月31日時点で助成が決定した施設は、3,817施設。無認可の事業所内保育園の多くが、企業主導型保育事業によって助成が受けられることとなるのです。
【参考】公益財団法人児童育成協会 企業主導型保育事業ポータル助成を受けるための保育士人数などの基準は、無認可保育園基準よりも厳しく定められていますので、保育士の働きやすさが確保されるというメリットもありますよ。