保育園はご存じの通り、共同生活の場です。そのため、園のきまりで「熱が〇℃以上はお預かりできません。」と決まっています。それにもかかわらず、熱がある事を隠し、預ける保護者がいるのも悲しい事実です。今回はそんな時の保護者対応について考えてみましょう。
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熱がある事が判明した時点で保護者に電話連絡
熱があっても元気な子どももいますが、足元がふらついていたり、顔が赤かったり、いつもと明らかに様子が異なるはず、やしいと思った時点ですぐに検温し、保護者に連絡をいれましょう。
携帯電話に出ない場合は、緊急連絡先や職場にも電話を入れ、その間子どもは別室で安静にさせておきます。
保護者が到着後、今朝の様子や昨晩の様子で変わった事がなかったかをもう一度確認しますが、おそらくもし熱がある事がわかっていたとしても、そのまま話す保護者は数える程でしょう。
もう一度預かる事が出来ない体温を伝えた上で、子どもを連れて帰宅してもらうようお願いしましょう。
気持ちに寄り添いつつ「協力のお願い」という姿勢で伝えよう
伝え方のポイントとしては「きまりなので」という態度にならないよう気を付けてくださいね。
子どもの熱が上がり「出来れば休ませてあげたい。」と、いう気持ちはもちろんあると思いますが、保護者としても仕事上大切な一日かもしれません。
仕事を始めたばかりで休みづらい、休みが多くなると働きづらい環境になってしまう
このような理由から、強行突破しようとした可能性が非常に高いです。
そこで保育士は保護者のその葛藤に耳を傾け、出来る限り寄り添ってあげることが信頼関係においても大切なこと。「お仕事もあるでしょうし、お預かりしたいのですが、集団生活の場なのでご理解いただけないでしょうか?申し訳ありません。」と、あくまでも低姿勢で、協力をお願いする形で話すと良いでしょう。
納得はいかないにしても言い方次第で印象はずいぶん違うものです。
何度も熱がある事を隠して預けようとする保護者には
登園後、保護者がまだいる時点で検温するのも一つの手です。
その際「風邪が流行っているので、一時的ですが、登園後すぐに検温するようにしています。」等と言い、疑われているのではないかと思われないような対応をしましょう。
検温が終了し、熱がある事がわかった場合は、速やかに帰宅してもらいましょう。まれに「家の体温計では熱はなかった。保育園の体温計は壊れているのでは?」とクレームを言う保護者もいるので、出来れば違う体温計を使い二回以上測るようにすると説得力が増します。
「いつも家に帰ると熱が下がるから、今回も大丈夫。」という保護者もいます。
しかしここでも集団生活の場である事を伝え、保護者がお互いに嫌な思いをしないためにもお預かりする事は出来ないという対応をとりましょう。
病児・病後児保育|ファミリーサポートの案内
- 病児保育とは
- 病児保育とは、熱や風邪で保育園に預けられない時に利用できる施設での保育の事。
- 病後児保育とは
- 体調などは良くなったが、まだ完全に病気が完治しておらず、保育園に登園できない時に利用できる施設での保育の事。
病児・病後児保育共に、主に小児科などに併用されており、一日看護師・保育士がついてくれるので安心して過ごすことが出来きます。また、静かな環境でゆったりと落ち着ける空間です。
なので、よほどのことがない限り仕事中にお迎えの連絡はなく、仕事を途中で抜けて帰ることもありません。
ですが、利用するにあたり知っておきたい注意点があります。
病児・病後児保育の施設の数が少ない上に、少人数の受け入れになっています。その為、当日にいっても受け入れが出来なかったり、前日でもキャンセル待ちの場合もあります.
保護者の方に案内する際には先に、この旨を伝えておきましょう。
また、登録が必要であったり、預ける前の受診など、保護者の仕事の時間に間に合わない場合もあります。一言伝えるだけでも保護者の段取りも変わりますので、朝の時間、互いにスムーズにいくよう、事前にこのような制度があることを、お知らせしておくのもいいですね。
その他、自宅に来てくれたり、緊急時でも対応してくれるファミリーサポートの活用も進めてみましょう。
子どもはどうしてすぐに熱がでるのか
「子どもが一度、熱や風邪にかかるとなかなか治らない。」と、言う保護者の声を聞いたことが一度はあるかと思います。その際に、保護者にきちんと伝える事が出来たら、信頼関係も気づけていけるでしょう。
・朝は熱が無かったから保育園に連れてきた
朝は熱が出にくく、昼頃や夕方からなどに熱がでやすい
・なかなか風邪が治らない
一日お家で安静に過ごすだけでも、子どもの気持ちも落ち着くので時には休息も必要ですよ。
※保護者の仕事で完治していないまま、朝から夕方まで保育園に来る子ども。身体を休める時間もないので薬を飲んでもなかなか治らないのは分かりますよね。
・大事な時に限って…
子どもって不思議ですよね。遠足の当日や旅行、絶対に熱出さないで欲しいと思う時に出しますよね。子どもは敏感なので少しの環境・心情の変化で体調を崩してしまうので、あまりプレッシャーを与えることはなく日常を過ごすことが大切ですね。
など、保護者が「こんな時に子どもが熱を出てしまう。」という話に対して、自然に理由・対策を伝えていくと、保護者も職員に対して相談しやすくなるでしょう。
保育園は看護師も勤務しており、たくさんの保育士もいます。保護者としては「多少熱があっても大丈夫」と保育園に甘えてしまうのかも知れませんね。保護者の事情や気持ちに理解は示しつつも、集団生活の場である以上、きまりを守るようにさりげなく伝える事が大切です。