乳児期に出始めた自己主張もあれば幼児期になっても変わらず「自分が」と主張ばかりが目立ってしまう子もいますね。そういった時、どう対応すると子どもの主張も認めつつ、保育を円滑に進めていけるのか・・・。今回は、子どもの自己主張について考えていきたいと思います。
自己主張とは?
自己主張とは、自分の考え・思いを相手に伝える・発言することで、相手にこういう考え方もあるんだなと、理解を得てもらうことです。
ですので、自分の思いを押し付ける、相手にその意見を受け入れてもらうという事ではないと、まずは理解しておくと共に、自己主張は自分の思いを正当に相手に伝えたい行為なので、勝ち負けの問題でもないということも覚えておきましょう。
このことを踏まえ、自己主張が激しいな…と思う子どもを思い浮かべて考えてみるといかがでしょうか。
子ども同士で遊んでいる時に自分の意見を述べる子ども、制作を行っている時にみんなとは違う様に作りたいんだ。と主張する子どもなど様々な場面で出てくると思います。自分の思いを伝えそれが形になるか、ならないかはその時の状況次第。
子どもの場合、自分の意見がとおらなかったら、感情が乱れ怒ったり、泣いたり、すねたりしますが、そこまで思い、自己主張する気持ちはきちんと受け止めてあげましょう。
わがままとは?
わがままとは、自分の思い・意見を押し通し、そうでないとダメという欲求・自分勝手なことです。
自分はこうしたい。こうじゃないと嫌だと一方通行な思い、わがまま言える環境が備わっていれば、言えない環境もあり対人関係などにより変わってきます。特に、子どものこの時期にいつも子どもと一緒にいる親の影響は大きいと感じとれるでしょう。
また、小さな我慢が重なり、積み上げ爆発した時が、「これぼくが使いたいの!」「こうじゃなきゃ嫌だ!」という、欲求になり現れることもあります。
みんなの都合より自分の都合で行動し、自分の思うままに欲求を満たそうとし、度が過ぎてくると周りの友達との関係も乱れてきてしまいます。
子どもの言動に「わがまま」と気づいたら、その子の為にもきちんと思いを聞き、何がいけないのかを話してあげましょう。いつの間にか一人で遊んでいる事が無いように周りの子どもの声・様子をきちんと聞いておきましょう。
自己主張の大切さ
自分の気持ち・考えを伝えるという事は、相手に自分の事を分かってもらえる事でもあり、ストレスを溜めない事にもなりとても良いことです。
ですが限度を超えてしまうと、押し付けになりわがままになるので、線引きがなかなか難しいところにはなりますね。
幼児期では、自分の思い(自己主張)を伝えた事により、相手の反応でたくさんのことを学びます。相手が何を考えているのかな?こんな言い方したら受け入れてくれたなど自分なりの考える力も身に付きます。
自己主張が強いと感じたらその子どもの話しや家庭環境を一度振り返ってみましょう。
どうせ聞かないと思い簡単に流していませんか?注意していませんか?上手く表現出来ないところからの子どもの思いかもしれませんよ。
「自分が」は意思表示
なんでも大人にしてもらっていた子どもたちも二歳前後から「自分が~」「自分で~」と自分でやってみたがる姿や自分の意思を表すようになります。
なんでも思い通りにならないと気が済まず、泣き叫んで駄々をこねるなんて姿もよくみかけるこの時期に、十分気持ちを吐き出しそれを受け入れてもらう事で安心感を得たり、自分を表現する方法を知ったりすることが出来ます。
しかし、大人の都合で何もさせてもらえなかったり否定ばかりされて育つと主張することを諦めてしまいます。
「自分なんて」と自己否定するようになってしまうパターンもあるとか…一歳児クラスの15人がほぼ一斉に自己主張?!と考えるととても大変ですが、大切な成長過程の一部です。
暖かく見守り、「自分でやりたい」気持ちに寄り添い、受け止めていきましょう。
幼児期の自己主張
幼児期になるにつれて少しずつ相手の気持ちになって物事を考える、捉えるという事が出来るようになってきます。
少しの我慢が効くようにもなりますが、前途で述べたように、乳児期の出すべき時に出し切れなかった、必要以上に我慢を虐げられてきた子どもは、大きくなっても自己のコントロールが効かなくなってしまうことがあります。
でも、自分を解ってほしい、気を向けて欲しいと必死になるあまり、周りからすると「わがままな子」に見えてしまう行為となってしまうのです。
子どもの成長に手遅れということはなく、気付いた時が必要な時、4歳の時であろうと5歳の時であろうと、そこから始めればいいのです!しっかりと受け止めてあげましょう。
だって、まだまだ4歳、5歳の子ども、たくさん自分を出す力を養いながら大きくなって欲しいですよね。
大人だって解ってほしい。解ってもらえると、相手に自分の気持ちが伝わり素直に嬉しいですよね。子どもはその方法を日々、習得しようとしている所です。しかし、子どもといえども色々な知恵がついてきて、時にはズルいな、そんな方法で?!と驚くこともあるでしょう。それすら見抜きながらも、「ちゃんと見てるよ。知ってるよ。」「ここにいるから大丈夫。」と子どもが安心できて、さらに次へのステップへと導いていけるような存在でいたいですね。