お部屋で過ごす自由時間、なぜかいつも部屋から脱走してしまう子ども。他の子どもはきちんと部屋で遊んでいるのにあの子はいつも脱走する。つい叱ってしまったり強制してしまったりしてしまいがちですが、子どもの気持ちに寄り添い、冷静になって対応方法を考えてみましょう。
子どもの気持ちが向いている方向は?
急にあの子がいない!?あってはいけないことですが、なぜか起こり得てしまう事。
ほんとに子どもは素早いと感じてしまう瞬間でもあり、自分自身再度考えさせられることでもあります。脱走した子どもを探すのに園内を探してみると…いつも同じ場所にいませんか?
例えば、職員室で園長先生と話をしていたり、水道で水を出して手を濡らしていたり、玄関にいたりなど、子どもの気持ちはお迎えに向いているのかもしれません。
まだお迎えの時間ではないと分かっていても、少しでも近い場所や気を紛らわす為に自分の好きな話を聞いてくれる園長先生のもとへ。子どもも一息つくと「部屋に戻ろう。」と声を掛けるとすんなり戻ることでしょう。
担任の先生が実際にそこまでついておくことは難しいです。
その際は園長先生や主任の先生など、面識ある方に頼み任して第三者で見守ってみてもいいですね。後できちんと対応してくれた職員に内容を聞き、子どもの気持ちに寄り添い興味をある話を一つ小ネタとしてお話してみましょう。
部屋を脱出・走り回るそんな落ち着きが無い子どもへの接し方
他の保育士の協力を得て、一緒に脱走してみよう
なぜ脱走するのか…と頭で考えてもわかりません。
ここは思い切って子どもと一緒に脱走してみましょう。もちろんお部屋に保育士が誰もいない状態では困りますので、一緒に組んでいる保育士や他の保育士の協力が必要不可欠です。
いつもどこに行って何をしているのか、実際に行動を共にしながら教えてもらうと良いですね。その子が何に興味があるのか、なぜお部屋にいたくないのかが少しずつ見えてくるはずです。
保育士と子どもの距離も一気に縮まります。何度か繰り返し子どもの興味がある事がわかったら、それを自由時間にやる事を提案してみます。
「やり方わからなくなったから、教えてくれる?」と言うと得意げに教えてくれるでしょう。
保育園ごっこを通して逆の立場を体験させる
おままごとや、ごっこ遊びが好きな子どもの場合は、遊びを通じて先生の立場を体験してもらいましょう。
いつも脱走する子に先生役をお願いし、保育士が子ども役です。
何かをはじめようとする前に子ども役の保育士が部屋から脱走します。先生役の子どもは保育士を追いかけ、部屋に戻るように伝えます。そしてまた何かをはじめようとする前に子ども役の保育士が脱走。先生役の子どもは当然何もできません。
何度も何度も繰り返すうちに「部屋から出ないで!」と怒り出すでしょう。
そこですかさず「先生はいつも今の〇○ちゃんと同じ気持ちだよ。」と教えるのです。そして「部屋から出ないようにするから、〇○ちゃんももう部屋から出て行かないでね。」と約束してしまいましょう。
何をしたらいいかわからない場合もある
急に自由時間と言われても、一体何をしたらいいかがわからない可能性もあります。
遊ぶ友達がいないと言う事もあるでしょう。自由時間になる前に今日はお部屋ではどんな遊びが出来るかを事前に教えてあげて下さい。何をするか考えておいてねと言い、子どもと遊ぶ約束をとりつけます。
いざ自由時間になると、保育士が一緒に遊ぶ事で他の子どもも集まってくるでしょう。
保育士は出来る限りその遊びを楽しめるような工夫をしてください。その日遊んだ遊びが楽しければ、「明日もまたやろうね」と他の子ども達とも約束ができ、何をしたら良いかわからない、誰と遊べばいいかわからないといった問題は二つとも解決できます。
ご紹介した4つの具体的な対応ですが、どの対応がその子に合っているかは実際に普段関わっている保育士でなければわかりません。脱走するという問題行動ばかりに目を向けるのではなく、その裏側にある子どもの気持ちに目を向ける事を意識してみてください。