子どもの準備が出来ていないのに登園させる保護者への対応

2017/08/18

保育園には毎日早朝から子どもが登園してきます。時間的に余裕の無い中、口をもぐもぐさせながら登園してくる子や寝ぼけながら抱きかかえられて登園してくる子。保育園によくある光景です。子どものためには余裕のある登園をして欲しいもの。そのために、保育士はどう対応すればいいのでしょうか。

各家庭の生活リズムを知るために

保育園児のいる朝は毎日ドタバタです。朝食作りと並行しながら子どものおむつ替え、着替え、朝ごはん、そしてお母さん自身の支度。毎日一連の流れをこなして、決まった時間には家を出なければなりません。

子どもがいると本当に大変な朝なのですが、スムーズな登園を行うには朝だけでなく、前日の過ごし方から見直しすることが必要になります。

朝の生活リズムが乱れている場合、保育園お迎え後の過ごし方に課題があることが多いようです。そこで、朝の支度が満足に出来ず、ギリギリで登園している家庭があるような場合は、一度クラス全員の子どもの生活リズムを知ることが出来るような取り組みをご提案します。

生活リズムカードを作り、各家庭のスタイルに合った計画を立てる方法がお勧め。

例えば、夜は〇時に寝る、朝ごはんを必ず食べるなどの目標です。その際、目標例をいくつか設定して理想のものを盛り込んでおくと計画が立てやすいですよ。保護者に意識して欲しいと思う項目は必ず入れましょう。

取り組み期間を長くすると保護者の負担になるので、2週間などの期間限定で行います。取組みで生活が変わることを期待したいのはもちろんですが、一番の目的は保育士と保護者間で生活リズムについての話題作りがしやすくなるということです。

保育士は家庭との連携の大切さを理解していても、保護者によってはプライベートな部分まで伝えたくないという方もいます。クラス全体で取り組むことによって、話題に取り上げやすくすることがねらいです。

子どもが登園を嫌がっている場合も

生活リズムカードの取り組みを始めて、家庭での様子がわかってくると、保護者は生活リズムを整えようと努力しているのに、実は子どもが登園を嫌がっていた、という実態が見えてくる場合もあります。

特にまだまだお父さん・お母さんと一緒に過ごしたい乳児の場合は、登園を嫌がるのも当然なので、子どもの気持ちをしっかり受けとめてあげましょう。

保護者に対しても、子どもが「おうちのかたと一緒にいたい」という気持ちをしっかりと受け止めてあげることが、登園する際の安心感に繋がっていくことを伝えます。

3歳児以上の場合は、徐々に集団で遊ぶ楽しさを感じてもらいたい時期ですので、集団のやりとりの中で子どもが登園を嫌がる原因になっているものがあるかどうかをまず配慮します。その上で、保育園生活が更に楽しくなるような工夫をしてみましょう。



余裕のある登園をするためには、時に生活リズムの改善が必要かもしれません。でも、最も大切なのは、家庭における子どもの生活リズムを知ることそのものではなく、それを話せる保護者との関係づくりです。紹介した取り組みもお勧めですが、毎日の送り迎えの中で交わす一言二言の保護者との会話を大切にしてくださいね。

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