朝、保護者からお預かりした園児の薬。与薬表には食後と書かれていて、給食の後に必ず飲ませなくてはならなかったのに、給食を床にこぼした他の子どもに関わっていたら、すっかり忘れてしまいました。もう午睡後。もうすぐおやつの時間だからおやつ後でもいい?
食前、食間、食後と薬により異なる効き方
薬を飲むタイミングによって、効果が変わる薬があることをご存じですか?
食前、食後っていつまでなのか、食間とはどういうことなのか、保育士として働くための最低限の知識として、復習しておきましょう。
薬は、食事によって変化する胃の状態に合わせて、服用時間が決められています。正しい飲み方を守らないと、胃が荒れてしまう、効果が出ない、副作用が現れたりすることがあるなど、注意が必要。また、喘息の薬や心臓の薬などは、血中濃度を一定に保つ必要があり、適切な時間に服用できるように指示が出されています。ですから、保育士が独断で指示以外の時刻に薬を与薬することは厳禁です!
- 食前
- 食前とは、食事のおよそ30分前をいいます。食事による症状を抑える薬、例えば吐き気止めなどや、食後には吸収が悪くなったり、副作用が出やすくなったりと食前のタイミングで飲むことで効果が出る薬などが食前投与を指示されます。
- 食後
- 食後とは食事をしてからおよそ30分以内に飲むことをいいます。胃の中の食べ物と薬が混ざることによって、胃への刺激が少なくなります。食後に服用するように指示されたことのある方は多いのではないでしょうか。食後の薬は飲み薬の中で最も多いタイプのようです。
- 食間
- あまり聞きなれない食間は、食事の最中のことではありませんよ。食事と食事の間という意味で、食事を終えてから約2時間後が目安です。
空腹の状態で飲むと吸収がよいなど、食間に飲むことで効果を発揮する薬が処方されます。
おやつはご飯に含まれる!?
保育園のおやつは立派な補食。そのような意味ではおやつはご飯の仲間と言っても良いでしょう。保育士のみなさんも「保育園のおやつはご飯と同じ位大切ですよ。」と保護者に日々お話していることでしょう。
でも、薬の服用という観点から見ると安易におやつ=ご飯だと捉えることは先述のとおり危険であるということがわかりますよね。
食後という指示が最も多いことが予想されますが、服薬は、朝食や夕食に服用するタイミングとの時間も考慮されているので、給食時の服用を忘れてしまったからといって、勝手におやつの時間に薬を飲ませてしまうことのないようにしましょう。
万が一、薬を飲ませ忘れてしまった時は、保育士が独断で判断するのではなく、園長や主任に報告した上で、保護者に連絡をし、指示を仰ぎます。誠意を持って、忘れてしまったことを伝えましょう。
与薬忘れはあってはならないこと!日ごろから複数の保育士等で、重複与薬、人違い、与薬量の確認、与薬忘れ等がないように確認することが大切です。