赤ちゃん返りとは、乳児・幼児期にみられる行動で、おっぱいやミルクを欲しがったり、おむつをしたがる、出来ることも出来ないと言ったり、赤ちゃんになったかの様な態度を行うことです。なぜ急にこの様な行動をとるのでしょうか。そこには子どもの訴えがあるのです。
赤ちゃん返りをする原因
子どもが赤ちゃん返りをする主な原因としてあげられるのが「兄弟(姉妹)ができたとき」です。今まで自分が独り占めしていたお父さん・お母さんが、自分だけのものではなくってしまい、自分の欲求が満たされないと感じてくるのです。
例えば…
「○○取って。」と子どもが言うと、「自分で取れるでしょ。お兄ちゃんなんだから。」とお母さんは答えます。その瞬間子どもの目に飛び込んで来るのは、赤ちゃんの姿。構ってもらえないと感じ自分も赤ちゃんと同じようにすることで構ってもらえるという心理が働くのです。次にあげられるのが、保育園・幼稚園に入園した時です。環境の変化に敏感な子どもは、楽しい生活・お兄ちゃんお姉ちゃんになった喜びと共に、不安を感じる事があります。
園生活は普段の様子と変わらず過ごし、お母さんの前になるとまるで赤ちゃんのように甘える行動をとるようになります。
その他の環境の変化
- お母さんの仕事復帰
- トイレトレーニング
- 引っ越し
- 大好きな方との別れ など
子どもの心は繊細ですぐに不安になり、その不安を満たしてくれるのはお父さん・お母さんなのです。
赤ちゃん返りとみられる行動
赤ちゃん返りとみられる行動として、前頭にあげたようにミルクを欲しがったりおむつを履きたがったり、と甘える姿が主にですが、その他に見られる行動を見ていきましょう。
- 赤ちゃん言葉で話をする
- おねしょを繰り返しおこす
- 抱っこやひざの上に座ってくるなど今までなかった甘え
- 吃音が気になりだす
- チック症状
- 1人でご飯を食べず食べさせてと甘える
- 出来ることを出来ないと言いやらない など
子どもにより症状は様々ですが、少しでも子どもの行動・様子が変わったときは、何かを感じているサインです。環境の変化はなかったか一度振り返ってみましょう。意外なところで子どもの心情は変わります。
赤ちゃん返りの子どもへの対応
赤ちゃん返りが始まったら、いつ終わるの?何でこんなに手を焼かせるの?イライラする!など思うことは沢山あると思いますが、子どもも自分の心情と戦っているのです。イヤイヤ期同様一時期なもの。子どもときちんと向き合えるチャンスでもあるのでしっかり受け止めてあげ、親子の絆を深めましょう。
赤ちゃん返りの対応策
- 愛情を試している行動なので、叱らずに受け止めてあげましょう
- 上の子を優先して対応することで落ち着きが増します
- 出来たことはきちんと褒める事でやる気になります
- 二人の時間をつくることで、安心感が得られます
- ギュッと抱きしめながら話をしたくさんスキンシップをとりましょう
NG対応
- 叱る、怒鳴は余計に悪化し悪循環になってしまいます
- お兄ちゃんでしょ、お姉ちゃんでしょはプレッシャーをかける言葉です
- 無視は絶対にいけません
子どもって不思議な力をもっていますよね。まだお父さんお母さんが気づいていないのに、お母さんのお腹の中には小さな命が宿っていることを感じることもあります。ほんとに些細な環境の変化によって気持ちには変わります。その変化に気づき少しでも寄り添うことで、甘えたい・愛情を再確認したい子どもの気持ちは安定していきますよ。