保育士の仕事をしている人であれば、基本的には誰しも子どもが好きだろうと思います。好きな事を仕事に出来る事に越したことはありませんが、果たしてその気持ちだけで仕事としてやっていけるのだろうかと不安を感じる事もあるかも知れませんね。保育士に求められる人材をお伝えしつつ、子どもと関わる仕事の素晴らしさを改めてご紹介していきたいと思います。
子どもが好きなだけで保育士になって大丈夫?
自分がこの仕事を目指そうとした理由である「子どもが好きだから」という気持ちは、保育士自身の大きな心の支えであり、大切な原点となるでしょう。
しかし日常の忙しい業務をこなしているうちにその「原点」を見失いそうになる事も多々あります。
保育士の仕事の良いところは、子どもとのふれあいから「子どもが好き」という気持ちを再び思い出す事が出来るところであり、それが保育士自身の活力になっているといっても過言ではありません。
そう考えると、「子どもが好き」という気持ちは保育士にとって一番大切で一番求められるスキルなのではないかと思います。
子どもを含めて、保護者や同僚とのコミュニケーション能力が必須
子どもが好きで、子どもと関わっているだけだったら素晴らしい仕事なのですが、実際の保育士の仕事はそんな事はないと言っても過言ではないでしょう。
事務仕事等は自分次第ですが、保護者や同僚、上司という人間相手では思ったようにいかない事の方が多く、それぞれがそれぞれの考え方を持っているのでぶつかってしまう事もあるでしょう。
こちら側のちょっとした発言が悪くとられてしまう事、言いづらい事、嫌な事を言わなくてはいけない事もあるので、伝えたい事が伝わらず無力感を感じる事もありますね。
このような理由から実際、仕事の量よりも人間関係で悩む保育士が多く存在します。
この問題を打破するには保育士自身のコミュニケーション能力とポジティブシンキングが必要になってきます。子どもの相手だったら得意なのに…という場合は、保護者も同僚も子どもの一人だと思って接してみましょう。
あまり好きではない人の良いところを一つでも見つけたら、積極的にそれを言葉にして誉めてあげます。
子どもでも大人でも誉められたら嬉しいもの、先輩の場合はその先輩をたてつつ、得意な分野で頼りにしてみましょう。
保育士の仕事をしている人の多くは世話好きです。
「〇〇先生、制作が上手だから相談に乗ってほしいんですけど…」等と頼りにされると喜んでくれるでしょうし、自分のスキル向上にもつながります。
良いところはどんどん吸収し、反対に良くないなというところは、真似をしたり悩んでしまったりせず、そういうタイプの人なんだと一線を引いて関わる割り切った姿勢が、自分自身楽になる必要なことです。
子どもと共に保育士も成長していく
保育士になったからといって最初からスムーズにはいかないものです。
子どもとのやりとり、保護者や同僚、上司とのやりとり、慣れない事務仕事に大きな行事の準備や重圧など、それらをこなしながらうまくいかない自分にいら立ったり、悩んだりする事もあって当然です。
時には悔しくて泣いてしまう事もあるでしょう。
たくさん悩むのはそれだけ感受性が豊かな証拠であり、魅力的な保育士になるにあたってとても重要なことです。
普段から誠心誠意子ども達と向き合っていれば、落ち込んだ時には子どもがそっと背中を押してくれる事も…、様々な経験を通じて子どもが成長していくように、保育士も少しずつ成長していくのです。
子どもに成長させてもらっているという言い方の方が正しいかも知れませんね。
保育士の仕事は責任も大きく、大変な仕事かも知れません。しかし「子どもが好き」という気持ちは保育士の仕事をしていく上でなくてはならない大切な気持ちです。その気持ちがなければ壁にぶつかった時に乗り越えて行けません。今の「子どもが好き」という気持ちを忘れずにいれば、きっと数年後には魅力あふれる保育士になっている事でしょう。