保育士を目指す人にとっての大きな壁。それは「ピアノ」です。保育士の場合、ピアノをただ弾くだけではなくピアノに合わせて弾きながら歌う事も要求されます。もちろん必死の形相ではいけません。ニコニコと朗らかに…です。苦手な人にとっては大きく立ちはだかるピアノ問題。しかし、そんなピアノを使用しない保育園があるとの事。今回はピアノを使用しない理由やその効果を調べてみたいと思います。
保育士になりたい、でも…悩みの種はピアノ
ピアノ、イラスト、工作、裁縫…保育士は何でもこなしていますが、全てにおいて完璧な保育士は実は稀です。
ピアノは得意だけど、裁縫は苦手。裁縫は得意だけどイラストを描くのが苦手。というように、保育士であっても得意分野と不得意分野がしっかり存在しています。しかし当然仕事ですので、「苦手だから出来ません。」という訳にはいきません。
その数ある保育士の仕事の中でも、ピアノが苦手な人は多いかも知れません。苦手なピアノを何とかしようと、行事が近づくと深夜まで自宅で練習したり、残業して練習したりする保育士も多いようです。
苦手なピアノに集中するあまりに、子どもの歌を聞く余裕がない
これはピアノを使用する場合の一番の問題点でもあります。
先述したように必死に練習して何とか形にする事が出来た保育士がピアノを演奏し、子ども達に歌を歌わせた場合、当然子どもの歌を聞くまでの余裕はありません。
自分の演奏とそれに合わせて歌う事で精一杯になってしまうからです。
しかしピアノを保育士が間違えずに演奏する事が目的ではありませんよね。「子ども達が正しい音程で歌う事を指導する必要がある」という方針のもと、ピアノを使用するのをやめ、保育士の肉声でわらべうたや童謡などを指導している保育園も実際に存在しています。
ピアノを使用しない事でどんなメリットが考えられるか
保育士側のメリットとしてはピアノを弾きながら、演奏に気を取られ歌を歌う場合と、肉声のみで歌う場合、その表情や声の大きさ等も変わってくるのではないでしょうか。また、子ども達の歌声に耳を澄ませる事で音程のズレ等の指導も容易に出来ます。
子ども側のメリットとしても、ピアノの音に頼り切らず、自分の声をしっかり聞きながら歌う事が出来ます。自分の声が聞こえるので周囲の声も聞こえるでしょう。おのずと全体の声を聞きながら、その中で自分の声の音量や音程も調整しやすいといった効果があるようです。ある程度歌が形になった後に、ピアノ伴奏をケースが多いようです。
ピアノを使わない保育園があるのだから、ピアノが出来なくても良いという事ではありません。ピアノに頼らない分、保育士自身の高い能力が求められると思うからです。ピアノを使わないという保育園の方針に賛同出来るのであれば、将来の選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか。