乳児保育園とは違う?乳児院の仕事内容とは

保育士が求められている職場の1つに乳児院があります。乳児の保育をするという部分は乳児保育園と同じですが、乳児院は保育園とは違った役割を担った施設です。働く保育士の役割や仕事内容も保育園とは異なりますので、保育園から乳児院への転職を考えた時には、乳児院についてよく知っておくと良いでしょう。保育園とは違う部分も多い乳児院についてご紹介します。

乳児院とは

乳児院とは、何らかの事情で家庭で過ごすことができない乳児を保護し、養育する施設です。

家庭で過ごせない理由は、保護者の病気や経済的理由、虐待など様々。保護者の育児不安や母親の出産などで養育が難しく、一時的に乳児院を利用することもあります。

基本的には1歳未満の子どもが入所する乳児院ですが、必要であると認められた場合は就学前の年齢まで入所することが可能です。

0歳から2歳ころまでの子どもが入所することが多いので、関わる子どもの年齢は乳児保育園と共通していますね。

乳児院退所後は、子どもの置かれた状況などにより行き先が異なります。

  1. 家庭での養育が可能であると認められて家庭に戻る
  2. 里親家庭で里親家族と過ごす
  3. 児童養護施設に移る

乳児院は入所している間だけではなく、退所後の行き先によって異なるフォローも必要です。例えば児童養護施設に移る場合には、交流を行い子どもがスムーズに移行できるような配慮を行ったり、引継ぎ資料を作成して子どもを送り出します。

乳幼児の生活の場として安心できる環境であること。そして、退所後も安心して生活ができるようなアフターケアも乳児院の役割です。

乳児院で働くのはどんな人?

乳児院で働くのはどんな人

乳児院で働く職員は、保育士以外にもさまざまな資格保有者がいます。

  1. 保育士
  2. 医師
  3. 看護師
  4. 栄養士
  5. 家庭支援専門相談員
  6. 里親支援専門相談員
  7. 児童指導員

それぞれの資格保有者が専門性を活かし、チームとして連携を取ることで乳児院は成り立っています。

乳児院は保育園とは違い、24時間子どもの養護を行います。また、虐待を受けてきた子どもなどさまざまな事情を抱えていますので、保育園以上に子ども1人ひとりに寄り添ったケアが必要です。

定員10名以上の乳児院では、0,1歳児1.7人。2歳児2人につき1人の看護師もしくは保育士、児童指導員がつかなくてはなりません。

乳児院で働く保育士は子どもの父母代わりとして、少人数保育を行いながら愛着関係を築く必要があるのですよね。

乳児院で働く保育士の仕事内容

乳児院は子どもたちの生活の場です。そのため、24時間体制での子ども達との関わりが主な仕事内容。

起床から授乳や離乳食援助。子どもの発達や様子に合わせた遊びや散歩を取り入れ、おむつ替えや着替え援助、午睡の寝かしつけも行います。日中の過ごし方は乳児保育園と共通する部分も多いですね。

しかし、夕方になっても保護者が迎えにくるわけではありません。入浴や夕食援助、夜の寝かしつけも保育士の仕事です。

シフト制で夜勤も行い、小さい子ども達ですので睡眠チェックも欠かせません。

睡眠チェックと並行して、午睡や夜間の睡眠中には子どもの記録作成や活動内容の立案などの事務仕事も行います。

保育園と比べると行事は少ないですが、毎月の誕生会や外出などのイベントを企画することも保育士の仕事です。

また、子どもの養育だけではなく、家庭との連携や里親家庭へのフォロー、児童養護施設への引継ぎなどのアフターケアも必要です。

子どもがスムーズに家庭や里親家庭、児童養護施設での生活が始められるように。面接に参加したり相談に乗ることもあります。

さまざまな事情を抱えて入所している子ども達が、穏やかに安心して過ごせる環境を整えること。

そして、保育士としての専門性を発揮しながら、家庭や児童養護施設に子ども達の育ちを引き継ぐことが保育士の大切な役割です。

乳児院での仕事は、保育園とは異なる部分も多くあります。子どもが抱えている事情もさまざまですので関わり方に悩むことも。しかしその分、保育園以上に子どもと密な信頼関係を築けることは大きな喜びにつながります。乳児院で働く保育士は、24時間通して子どもの成長を見守りながら愛情たっぷりに子どもと接し、次の育ちの場へと引き継ぐ。やりがいのある仕事です。