院内保育と病児保育~仕事内容や役割の違い

同じように病院に併設された保育施設である、院内保育と病児保育。両方とも保育士が求められている職場という点でも共通しています。しかし、院内保育の保育士と病児保育の保育士には仕事内容や役割に大きな違いがあるのです。似ているようで違う、院内保育と病児保育について。働く保育士の仕事内容や役割の違いを見ていきましょう。

院内保育と病児保育の違いその1!利用者の違い

院内保育を利用するのは、病院で働いている医師や看護師で。院内保育は子育て中の病院職員が安心して仕事ができるような環境を整えるための施設なのです。そのため、一般の保育園と同じように健康な子どもが通います。

一方病児保育は、風邪などで体調に不安があり保育園に登園できない子どもを預かるための施設です。病院職員でなくても利用することが可能です。

また、病児保育は普段は保育園に通園している子どもが利用しますので、病気の時だけの一時利用であることも特徴の1つ。院内保育は病院職員の子どもですので基本的には同じ子どもが利用しますが、病児保育を利用する子どもの顔ぶれは毎日違います。

院内保育と病児保育の違いその2!仕事内容の違い

院内保育の仕事内容は、一般の保育園と共通する部分が多くあります。登園した子どもを受け入れ、発達に見合った遊びを提供する。食事や排せつ、着替えなどの身の回りの援助をする。基本的に決まった子どもが利用しますので、子どもの成長や発達に見合った関わりを心掛けます。
また、保護者の勤務時間に合わせて夜間保育も実施しますので、夕食の提供や寝かしつけも保育士の仕事です。

病児保育で働く保育士の仕事は、病気の子どもの保育です。ゆったりとした雰囲気の中で子どもが安心できる環境を整え、ケアをします。医療行為は行いませんが、体調が急変する場合もありますので、こまめな検温を行い一般の保育園以上に体調の変化に配慮する必要があるのです。医師の指示のもと、投薬をすることもあります。
また、初めての場所で保護者と離れることに不安を感じ泣いてしまう子どもも…。そんな子ども達の気持ちに寄り添い、短時間で関係を築くことも保育士の仕事です。

病児保育

院内保育と病児保育の違いその3!役割の違い

院内保育の保育士も病児保育の保育士も、子どもが安全に安心して過ごせる環境を整え、1人ひとりに合った関わりをするという点では役割は同じです。
しかし、利用者や利用時間、利用目的の違いによって細かな役割は違ってきます。

院内保育は、保護者の勤務に合わせて夜間保育や長時間保育を利用する子どももいます。夜間は特に、保護者と離れる寂しさを感じることも…。院内保育の保育士は、そんな子ども達の保護者代わりとして保護者の次に安心できる存在となることが求められます。そのためには、日々の積み重ねで密な信頼関係を築く必要がありますね。

病児保育は、普段は別の保育園に通っている子どもが病気のときのみ利用をします。そのため、長い時間をかけなくても子どもの心を引き付け、安心できる環境を整えることが求められます。
また、医療行為は行いませんが、体調の変化に瞬時に気付くためには病気に対する知識と、子どもの変化に気付ける観察力が必要です。
病気の子どものケアを第1に考えながら、短時間で子どもとの関係を築くこと。病児保育で働く保育士にはそんな役割があります。

院内保育の保育士と病児保育の保育士。病院の施設という働く場所は似ていますが、違った仕事内容や役割がたくさんあります。病院の施設で保育士として働きたいと考えたときには、自分がどのように子どもと関わりたいか。どんな役割を大切にしたいか、ということを頭に入れて選ぶと良いでしょう。どちらも子どもに安心を与え、保護者の援助ができる素敵な仕事です。自分の理想も大切にしながら職場選びをしてくださいね。