保育士の給与は年収or月給どちらで見るべき?隠れている落とし穴とは…

就職する保育園を選ぶ時の1つの目安となる給与額。保育士は仕事量に比べて給与が低い仕事であるとも言われています。もちろん、収入面だけが仕事のやりがいではありませんが、給与額はそのまま生活の安定にも繋がりますので、できるだけ高い収入を得たいと思うのは普通のことです。では、給与面が充実した保育園とはどんな保育園なのでしょうか?月給が高い保育園?それとも月給は低くても賞与が充実していて年収が高い保育園?それぞれの特徴を踏まえて見ていきましょう。

月給と年収とは?

月給とは、1ヶ月単位で定められた給与のことです。具体的には給与の基本額となる基本給に役職手当や資格手当など必ず毎月支払われる額を加えたものです。残業代などの変動する手当は含まれません。

保育士の求人情報に記載されている給与も、正社員の場合には月給であることが多いですね。

月給から社会保険料や所得税、住民税などを差し引いた額が、毎月実際に手にすることのできる手取り額となります。

一方年収とは、月給12カ月分に賞与を含めた額です。賞与は、1年に2回夏と冬に支給される場合もありますし、1年に1回支給される場合もあります。賞与からも社会保険料や所得税は差し引かれますが、年収として提示されるのは差し引かれる前の額です。

そのため、月給と同じように実際に手にする額は提示された額(額面)よりも低くなりますので注意が必要です。

月給と年収、どちらを見るべき?

月給と年収、どちらを見るべき?

では月給と年収、どちらを基準に給与情報を見れば良いのでしょうか?

例えば、月給18万円、賞与2カ月という給与が提示されている保育園をA保育園。月給16万円、賞与4カ月という給与が提示されている保育園をB保育園とします。月給で見ると、A保育園の方が高いですね。

しかし年収で計算すると…

■A保育園の場合には18万円×12カ月。
→そこに2か月分の賞与(36万円)を加えて252万円。
■B保育園の場合には16万円×12カ月。
→そこに4カ月分の賞与(64万円)を加えて256万円。
賞与を加えて年収として計算をするとB保育園の方が収入が高くなるのです。

では月給が低くても賞与が充実していて年収が高い保育園に就職した方が良いかと言うと、一概にそうとは言えません。

なぜなら、賞与が支給される時期は決まっているからです。例えば、12月に賞与が支給される場合、その前に退職してしまえば賞与は支給されません。

保育士は年度末である3月まで勤めて退職をすることが多いですが、やむを得ない事情があり、年度途中に退職する可能性もあります。
その場合には、賞与を支給されないまま退職となりますので、必然的に年収は下がるのです。

おすすめの方法は、自分が求める月給の基準は崩さないことです。
例えば月給として18万円は求めたいと考えている場合には、その基準は崩さないようにします。その上で、月給18万円賞与2カ月の保育園と、月給20万円賞与なしの保育園がある時には、年収換算すると月給18万円の保育園の方が高いので、そちらを選ぶという方法です。

月給を始めの基準として、その上でより高い年収の就職先を選ぶことで、給与面で後々後悔しない選び方ができますよ。

月給、年収だけではない!基本給にも注目してみよう

給与情報をみる時には、月給と賞与、そしてその2つから年収を計算することは大切ですが、給与情報を見る時にもう1つ大切なことがあります。
それが、基本給に注目することです。

基本給とは、月給から役職手当や資格手当を除いた給与の基本となる額です。全てを基本給に含めている保育園もありますが、中には基本給を低く設定して各種手当を手厚くしている保育園もあります。

その理由は、賞与の計算方法にあります。明確には決められていませんが、賞与が何ケ月分と記載されている場合には、月給から各種手当を除いた基本給で計算して支給するという場合も多いのです。

月給18万円で賞与が2カ月分支給されるとの記載があり、36万円支給されると思いきや、実際には15万円の基本給に3万円の手当が付いていて、賞与は基本給の2か月分=30万円しか支給されないということもあるのです。

そのため、給与情報を見る時には月給と年収に加えて基本給にも注目することをおすすめします。

地域により差がありますが、手当が充実している保育園などは基本給が低い施設もあります。賞与が5ヶ月分支給される保育園も掲載中です。求人一覧でキーワード検索などで絞り込んで見比べてみてください。

就職先を選ぶ1つのポイントとなる給与情報。自分が納得できる収入が得られる職場を見つけることで、長く勤めることにも繋がります。就職活動や転職活動をしていると、自分が求める給与額を下げてでも早く決めてしまいたいと感じることもありますが、ぐっとこらえて冷静な目で見てみましょう。まずは月給に基準を定めて、その後はより良い年収の職場を見つける。そして基本給や各種手当の設定にも目を配ることが、より良い給与条件の職場を見つけるコツですよ。