増える認定こども園!?保育施設の普及状況

共働き家庭が増えることで保育所の需要は高まり、待機児童問題や保育所不足が深刻な問題となっています。そんな中誕生したのが認定こども園。幼稚園的機能と保育所的機能を併せ持った新たな子どものための施設として2006年に創設されました。2015年に施行された子ども・子育て支援新制度によって、それまでは幼稚園、保育園のどちらかにカウントされていた幼保連携型認定こども園が新たな認可施設として発足され、益々注目を集めています。認定こども園とはどんな施設なのか?幼稚園、保育所の移り変わりと新たに発足した認定こども園を含めた普及状況について見ていきましょう。

認定こども園とは?

認定こども園は待機児童問題解消などの目的から、幼稚園、保育所の両方の良さを併せ持った施設として2006年に創立されました。創立以降数を増やし、2015年には新たな認可施設として発足されることとなりました。

認定こども園4つの種類

認定こども園には4つの種類があります。

・幼保連携型認定こども園
幼稚園的機能と保育所的機能を併せ持つ単一の施設として誕生したタイプ
・幼稚園型認定こども園
認可幼稚園が保育所的機能も果たす施設として移行したタイプ
・保育所型認定こども園
認可保育所が幼稚園的機能も果たす施設として移行したタイプ
・地方裁量型認定こども園
幼稚園・保育所以外の教育・保育施設が認定こども園としての機能を果たすタイプ

2015年に認可施設と発足されたのは、この中の幼保連携型認定こども園です。

就学前の子どものための保育施設として、長くに渡って主流であった幼稚園と保育所。そこに新たな保育施設である認定こども園が加わり、保育施設の形態は変わりつつあります。

保育所・幼稚園の移り変わり

幼稚園は文部科学省の管轄で3歳児から5歳児の就学前の子どもを教育する施設です。一方保育所は、共働きなどが理由で保育に欠ける状態の0歳から5歳児の子どもを預かり保育をする施設です。

この2つの保育施設は、時代の流れによって施設数や利用する子どもの人数に移り変わりが見られます。1975年から1980年の間には利用する子どもの人数が250万人に達し、保育所よりもかなり利用人数が多かった幼稚園。しかし1980年をピークに利用人数は減り続け、1995年から2000年の間に保育所の利用人数の方が多くなりました。

一方幼稚園と同じように1980年を境に減少が見られた保育所の利用人数ですが、1995年から増加し続け、施設数も伸ばしています。

保育所・幼稚園の状況

保育所・幼稚園の状況グラフ

資料:保育所/1960~2008年度まで「社会福祉施設等調査報告」各年10月1日現在、2009年度以降「福祉行政報告例」各年3月1日現在、幼稚園・幼保連携型認定こども園/「学校基本調査」各年5月1日現在

この背景には共働き家庭が増え、保育所を利用する家庭が増えたことが挙げられます。また、幼稚園においては3歳児が、保育所においては0,1,2歳児の利用人数増加が見られ、より早い時期から子どもを預けるという傾向が強まっているとも言えます。

認定こども園は増えている?

2006年に創設されて以来、数を増やしている認定こども園ですが、2015年に認可施設として発足され、利用する子どもの人数や施設数が明らかになっています。

2016年の結果によると、幼保連携型認定こども園を利用している子どもの人数は、39万7,587人。施設数は2,822園でした。同じ年の幼稚園の利用人数は133万9,761人。保育所の利用人数は229万7,443人。幼稚園の施設数は11,252園。保育所の施設数は23,642か所。

この結果からは、認定こども園は幼稚園や保育所に比べると利用人数も施設数も少ないと感じます。ただ統計がとられた2016年は、認定こども園が創設してからまだ約10年。認可施設として発足してからは1年しか経っていません。

現在は幼稚園・保育所には及びませんが、今度ますます数を増やしていくことが予測されます。

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長くに渡って、就学前の子どものための保育施設として利用されている幼稚園と保育所。共働き家庭の増加などによってその比率には変化が見られますが、現在でも主流の保育施設です。そして、新たな子どものための施設として誕生した認定こども園。新たに創設されたことで、さまざまな課題をクリアする必要もありますが、幼稚園、保育所に続く子どもの居場所、そして保護者の強い味方として、その数を増やしていくことが期待されます。