保育士の給与の全国平均とは?
2016年度の保育士全国平均所定内給与(月収から残業代などを引いた給与)は21.21万円です。保育士の仕事量と責任を考えると、やはりこの額を低いと感じる人も多いのではないでしょうか?
しかし、意外と高いと感じる方もいるはずです。実際に保育士として働く方の中には、この全国平均を下回る場合も多いからです。年齢やキャリアによっても、収入は変わりますが、もう1つの違いは働いている地域です。
この全国平均を上回っている地域もあれば、全国平均に届かないという地域もあります。働いている地域の違いによっても、この全国平均への感じ方も変わるのです。
全国平均を上回っている都道府県とは?
全国平均を上回っている地域は愛知、栃木、千葉、東京、神奈川、滋賀、京都、大阪、兵庫、広島、徳島、福岡の12都府県のみです。同じ関東で東京や千葉からも近い埼玉が、全国平均に届いていないことなど意外な結果も見えてきます。
もし、自宅から通える範囲内で違う都道府県に勤めた方が賃金が高いとしたら、自分が住んでいる地域ではなく、より高い地域で働こうと思う保育士も多いのではないでしょうか?人口による違いもありますが、賃金の地域格差は賃金の低い地域の保育士不足へと繋がる恐れがあります。
なぜ賃金の地域格差が起こるのか?
賃金の地域格差の一因は、補助金の違いです。認可保育園の保育士の給与は国や都道府県、市区町村からの補助と保育料から支払われます。そもそも補助金の額が地域ごとに違うので、保育士の給与額の違いが出るのです。
補助金額の差
それは生活に必要な物価などが地域によって違うからです。また都市の方が人口が多く、より多くの保育士が必要になるため、保育士の賃金を上げて保育士を確保するという理由もあります。
人口が多くはなくても、保育士不足が深刻な地域で賃金の引き上げを行っているという現状もあります。例えば、全国平均を上回っている都道府県の中で、東京、千葉、神奈川、栃木、広島は全国でも保育士不足が深刻である地域です。
もちろん保育士不足の解消のためには賃金の引き上げは有効な方法と言えるでしょう。しかし、現在保育士不足が深刻な地域に他の地域よりも多くの補助をすることは、更なる保育士不足の地域を生み出す恐れも抱えています。
人口の多い都市や現在保育士不足が深刻な地域だけではなく、どの地域の保育士にも、仕事量と責任に見合った賃金を支払える制度を作ることで、全ての地域の保育士不足解消に繋がっていくのではないでしょうか?
保育士サポート.comでは多くの保育士求人を取り扱っておりますが、やはり地域により給与差はあります。同じ地域でも手当などで給与額に違いがあるので、お仕事を探されている方はいろいろな求人を比べてみて自分の条件にある保育園を見つけてください。お仕事一覧をみてみる。