子どもが安全に怪我なく過ごせる環境を作ることは保育園の大切な役割りです。しかし、集団生活の中で全ての怪我を防ぐことは難しいものです。時には、怪我がいつ起きたのか分からないという場合も…。その様な状況を極力防ぐ方法と保護者への伝え方をご紹介します。
登園時の視診をしっかりと行う
自宅で起きた怪我を子どもも保護者も気が付いていないという場合もあります。朝の受け入れ時には、必ず体調面と身体の傷についての視診をしっかりと行いましょう。
傷を見つけた時には保護者に確認をして、保育園で起きた怪我ではないということをはっきりとさせておきます。以前に園で起きた怪我については、保育士全体で把握しておくことで間違えて保護者に確認してしまうという状況を防ぐことができます。
洋服で隠れている部分については登園時に確認をすることができません。登園後に初めて排泄に行く際やおむつ替え時に確認をすることをおすすめします。傷を見つけた時には、降園時に保護者に確認をしましょう。
転倒やトラブルがあった時には怪我の確認をする
保育の中で、子どもが転倒したり友達とトラブルがあった時には、必ず怪我の確認をしましょう。小さな子どもは特に、痛くて泣いているのかトラブルによるやり取りによって泣いているのかを言葉で説明することができません。
その為、見えない部分に傷が出来ている可能性もあるので、子どもを落ち着かせた後に全身をチェックする必要があります。
また、戸外活動が終わった後や着替え、おむつ替えといった活動の区切りの時間には怪我の確認をすると安心です。小さな怪我の場合には子どもも泣かずに保育士が気が付かない場合があります。活動の合間に確認をすることである程度、いつ頃出来た傷であるかという事が分かるからです。
いつ起きたか分からない怪我について、保護者への伝え方
いつ起きたか分からない怪我について保護者に伝える時にはその前後の活動状況をしっかりと伝えることが大切です。
たぶん転んで…。自分で引っ掻いたのだと思います。など保育士の憶測で話してしまうと、実際の傷との相違があった時に保護者の不信感に繋がります。
活動の合間に怪我の確認をしていることで、時系列を追って保護者に説明をすることができます。
例えば、「9:30のおむつ替えの時には傷はなく、その後戸外活動をして園に帰りおむつ替え時に傷に気が付きましたので、戸外外活動中に出来た怪我であると思います。戸外活動中に痛がったり泣く様子はありませんでしたが、すぐに気が付かず申し訳ございません。」という様に、事実と子どもの様子をしっかりと伝えます。
すぐに気が付かなかったことについては謝罪をする必要があります。そして、傷に気が付いてから行った対応についても、どの位の時間冷やしたのかなど細かく伝えましょう。
怪我が起きてすぐに気が付かなかったことは保育士のミスです。しかし活動の合間に怪我のチェックをしていることで、怪我をしてから長い時間が経っていないということ、そして気が付いてすぐに対応をしてくれているということで保護者の信頼を損なう恐れは少なくなります。
保育士にとって悩みの1つである子どもの怪我。歩行が安定しない時期や自分の思いを言葉で伝えられない時期にはどうしても怪我は多くなります。日頃から保護者との信頼関係を築き、把握している部分についてしっかりと伝えることで保護者への信頼感を損なうリスクは減ります。子どもの為にも保育士自身の為にもこまめな怪我の確認を大切にできると良いですね。