幼児のお昼寝の時間、寝つきが悪い子への対応

2017/07/31

保育所で欠かせないお昼寝(午睡)の時間。このお昼寝の時間は、多くの保育士の悩みの種。お昼寝の時間に連絡帳の記入などをしなければならないのに、子どもが寝ない。早く寝て欲しいと思えば思うほど寝ない!よくあることですよね。成功する寝かしつけの方法を探っていきましょう。

保育所におけるお昼寝(午睡)とは

保育所保育指針の第12章 健康 (5)健康習慣・休養・体力づくり には午睡についての記述があります。

季節や活動状況に応じて、子どもの疲労に注意して、適切な休養がとれるように配慮する。また、休養の方法は一人一人の子どもに適したものとし、必ずしも午睡に限定することなく、心身の安静が保てるような環境の設定に配慮する。

上記には、「休養の方法は(略)必ずしも午睡に限定することなく」と記載されています。
そう、一人一人に適した休養を取ることが大切で、必ずしも眠ることが必要なわけではないのですね。ですから、眠らない子どもを叱るなんていう保育はもってのほか。

子どもが心身ともに安心できる環境で、休養を取ることが大切なのです。まだ成長発達途中の子どもが、体を休めることが一番の目的ということを忘れてはいけません。

とはいえ、出来ることなら一人でも多くの子どもに寝てもらいたいもの。安心して眠りにつけるような寝かしつけを実践したいですね。

まずはお昼寝の環境構成から

保育においては、基本の環境構成、大丈夫ですか?
今一度見直してみましょう。

子どもが眠りやすい環境づくりが出来ているかどうか。

場所の移動に敏感な子どもには、いつもと同じ位置に寝具を置いて安心できるようにする、午睡中トイレによく行く子どもは、トイレ側の通路の近くに布団を配置するなど、ベストな環境を選択します。

次に室内温度、明るさへの配慮

その季節に応じた適切な室内温度や湿度を保っているかどうか、特に夏場の暑すぎる室内は熱中症を引き起こします。冷房等を利用して、眠りにつきやすい環境にしてください。

理想的な室温は、冬は16~19度、夏は26度以下。湿度は50パーセントを保つと快適です。なかなか理想通りにはいかないかもしれませんが、保育室内に温湿度計を置いてみると理想の環境と比べることが出来ますね。

また、カーテンで程よく光を遮っているでしょうか。現在は、SIDS(乳幼児突然死症候群)の予防、窒息の予防などのため、室内を子どもの顔が見える明るさにしておく必要があります。

その上で、直接子どもの顔に光が当たらないような配慮をするなど、眠りやすい明るさに配慮するのが良いでしょう。

お昼寝の寝かしつけの方法

年齢によっても異なりますが、いつまでも寝ない赤ちゃんの場合、家での寝かしつけの方法を保護者に尋ねてみましょう。

毎回抱っこで寝かしつけている、授乳をしながら寝かしつけているなど、寝かしつけ方の癖が見えてくるものです。

保育所では、複数の子どもを同時に寝かしつけるため、完全な抱っこをしながら寝かしつけることは難しいことが多いですし、授乳をすることもできません。毎回の抱っこでの寝かしつけは、大きくなってきた時に抱っこ以外では寝ないということにもなり兼ねません。

また、授乳しながらの寝かしつけは、後の虫歯の原因にも。家庭でもトントンや添い寝をしながら寝かしつけられるかどうか提案してみましょう。

トントンはできるだけ一定の速度で。お腹の中の赤ちゃんは、お母さんの心音を絶え間なく聴いてきましたね。このトントンは、赤ちゃんがお腹の中にいることを思い出して安心して眠ることが出来ると言われています。

寝かしつけのベストは個人差が大きく、トントン1つにしても速さ、リズムは子どもそれぞれに違いますので、少しずつ掴んでいきましょう。

また聴覚に働きかけるのも効果的。子守歌を歌う、素話をゆっくりと話すなど試してみてくださいね。

ベストなお昼寝の睡眠時間

生まれたての赤ちゃんは一日の大半がねんね。成長発達に伴い、生後6か月頃からは一日の半分ほどを起きて過ごします。

1歳過ぎになるとお昼寝パターンが出来上がるのが一般的で、午前と午後の1日2回のお昼寝になることが多いようです。最終的に幼児期には午後1回のお昼寝に移行するのが理想的。

保育園では昼食後からおやつ前までの2~3時間をお昼寝の時間としているところが多いでしょう。

お昼寝の時間の理想はありますが、一日を通して睡眠時間をとることが出来ているかという総睡眠時間も大切。家庭との連携、再確認してくださいね。



日頃、集団で子どもを見ている保育士は、お昼寝まで、つい一人の子どもと周りの子どもと比べがちです。もちろん集団で全体を見ることも大切ですが、睡眠の欲求は一人ひとり違うものです。午睡時はできるだけ個々の欲求に合わせた対応を心がけていきましょう。

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