異年齢交流は子どもの成長にとって良い影響があるとされています。しかし、子どもの性格は多種多様。積極的にお世話をしてくれる子もいれば、中にはあまり関わろうとしない子どももいます。そのような場面で保育士に求められる援助について考えてみましょう。
子どもには子どもなりの理由がある、しっかり観察して理由を探ろう
子どもの行動をよく見てみましょう。なぜ関わろうとしないのかがわかるはずです。
小さい子に作ったもの等を壊されるのが嫌、一人で遊んだ方が楽しい、どう関わっていいかわからない、そこには必ずその子なりの理由があります。
しかし保育士の仕事は本当に激務です。余裕がなくなるとその場しのぎの雑な対応をしてしまいがちですが、「他の子はちゃんと遊んでいるでしょ!」等と叱らないでくださいね。
年長児でしたら自分の考えを言葉で伝える事も可能です。まずは理由を聞いてその問題を解決してあげましょう。
自分が作ったものを壊されるから嫌だという場合
最初は保育士を交えて一緒に遊んでみてはいかがでしょうか。一生懸命作ったものを壊された時、そのいら立ちから年少児をたたこうとする子もいるかも知れません。保育士が年少児に注意をし、その対応を見せる事で注意の仕方を教えてあげて下さい。
二回目以降は年長児に対応させてみてくださいね。もちろんうまく出来た時には褒めてあげる事を忘れずに。壊したものから別の遊びに発展できないかを考えさせるのも良いかも知れません。
遊んでいるうち、子ども同士慣れてきたと感じたら少し離れてみましょう。
その際は「他のお友達を見てくるから、何か困った事があったら先生を呼びにきてね」等と声をかけておくのを忘れずに。
最初は数分で戻り、少しずつ子どもだけでいる時間を長くしてあげると良いでしょう。
一人で遊びたいから関わりたくないという場合
異年齢交流だからこそ楽しめる遊びを考えましょう。
例えば、保育園ごっこ(年長児が先生役、年少児が園児役)やおままごと、2人1組になるような簡単なゲーム等、子どもと一緒に考えてもいいですね。
一人で遊ぶよりも大勢で遊ぶ方が楽しいと思わせる対応が求められます。
一人で遊びたいという子どもの気持ちを尊重しつつ、「みんなで〇○をやろうと思うけど、一緒にやらない?」と声をかけてみてください。最初は断られるかも知れません。
断られたら「じゃあ入りたくなったらいつでも言ってね」と言い、少し様子を見てあげましょう。子どもは楽しい事が大好きです。楽しそうな笑い声や歓声を聞いているうち、「やっぱり入れて」と来るはずです。
異年齢交流は社会性や協調性、思いやりの心が育まれる等の多くのメリットがありますが、対応を間違えると子どもにとっては「苦痛な時間」となってしまいます。年長児にお世話を強制し、我慢させるのではなく、遊びを通じて抵抗なく関われるような援助をしてあげましょう。