大きな集団の中にいても一人でばかり遊んでいる子を見るとみんなと遊びたくないのかな?遊びに入っていけないのかな?と心配になることもあります。でも、「一人遊びって子どもの成長の中でこんなにも大切な時期!」と知っていたら見方も援助の仕方も変わります。
年齢別の遊びの特徴
まずは各年齢の遊びの発達をみていきましょう。
- 0歳~1歳
- 見るもの全てが初めての時期。なんでも目をキラキラさせながら、掴んでみたりなめてみたり振ってみたりと、食べ物なのかおもちゃなのか試しています。
ズリバイやハイハイができるようになると、自由に動けるので目についた物に寄っていったり、スロープなどの坂に興味をもちます。
- 1歳~2歳
- 歩くことが出来ると共に、目線も高くなるので視野がとても広がります。興味を持つ範囲も広がりまた、手もうまく使えるようになるので色々な物に触れたくなります。出したり引っ張ったり叩いたり。人にも興味を持ちだしコミュニケーションを多くとるようになります。
◎主な遊び
- 絵具・砂遊び・水遊びなど感触を楽しめる感触遊び
- 階段やウレタン積み木など、上り下りする運動
- 転がるものを追いかけるボール遊び
- 手遊びやリズム運動など音楽に合わせて体を動かす など
- 2歳~3歳
- 自分の思う行動が出来るようになり、走ったりジャンプしたりなど動きが大きくなってきます。また、子ども同士でのコミュニケーションのやり取りを楽しんで行うようになります。それと共に何でも「イヤ」のイヤイヤ期の年齢でもあります。
◎主な遊び
- 粘土・砂遊び・水遊びなど感触を楽しめる感触遊び
- ちぎったり丸めたりなどできる新聞遊び
- 物を積むことが出来る積み木
- 蹴ったり投げたりできるボール遊び
- ぶら下がったり身体を揺らせる鉄棒 など
- 3歳~4歳
- 身体のバランスも良くなってくる時期は、更に活発に動けるようになります。手足の力も強くなり、自分で上り下りできるジャングルジムなどを好むようなります。また、お兄ちゃんお姉ちゃんへの憧れも頂き、真似てあそんだり、友達同士でごっこ遊びがはじまります。
◎主な遊び
- ごっこ遊び
- はさみを使用した制作物
- 絵具・クレヨンを使用した絵画 など
- 4歳~5歳
- ルールのある遊びを好む様になり、友達同士で確かめ合いながら遊ぶようになります。その分自分の思いも伝えるので衝突がおきケンカが増えます。ですが相手の気持ちも分かっているので仲直りもできます。自分の気持ちをコントロールしながら心と一緒に成長する時期です。
- 5歳~6歳
- 大人とも対等に話が出来るようになり、自分の言いたい気持ちやダメな事を言ってしまったと分かるようになります。遊びのルールを自分たちで変更したり発展させたり、一から作ったりと、想像力を膨らませ、話し合いながら遊ぶことができます。
◎主な遊び
- 遊びの発展を考える
- 自分たちで考えたルールの遊び
- 「この虫なにかな?」など図鑑で自分たちで調べる
- 廃材での制作
- コマ回し など
一人遊びはこんな時期
母親や保育士など自分の周りにいる大人と遊んだ経験を基盤にして、2歳頃から自分なりに遊びを考え遊びが発展する時期に入ります。
お絵かき、ブロック、ままごと遊び、ミニカー遊び・・・
自分の好きな遊びを選び、とことん楽しむ。これは、自分で考えて自分で行動するという自立のために必要な力の基礎を身につけている時期なのです。
好きな遊びを楽しんでいる最中なのであれば、側で見守る。存分に楽しめる空間作りはとても大切なことです。時にはその子の世界に入り込んでみるのもいいかもしれません。
3歳になったのだから、子ども同士で遊ばなきゃダメ!なんてことはありません。まずは、信頼できる身近な大人との「気持ちの共有」。一つの遊びを通して同じ気持ちを感じ合うことで、子どもは人と関わることの楽しさを知るのです。
3歳児の特徴と好きな遊び
3歳児クラスに入ると、お母さん役になったり、お店屋さんになったりなど自分の環境や経験を基に再現して遊ぶ「ごっこ遊び」を楽しんでいる姿がよく見られるようになります。
「友だち」との関わりが増えてくる時期ならではの遊びですね。
友だちの側にいながら一人遊びをしていると「一緒に遊んだらいいのに・・・」と周りが歯がゆい思いをすることもありますね。ですが、この時間もとっても大切なのです。
子どもは一人で遊んでいる中で、周りをよく見て周りの音を聞いて、色々な事を吸収しているのです。それがその子の力となり自信へと繋がった時、子どもから仲間に入れてもらおうと行動を起こすでしょう。
その様子を見守り、一人の世界から周り仲間の世界へとつなげる橋渡しをしてあげましょう。
周りに興味を持たない
子どもの成長の進み方は個人差があります。
普段の生活の中で気になることはありませんか?
例えば、人との関わりに関心を持たない。
目が合いにくい。
呼んでも返事をしない。
簡単な気持ちのやりとりが難しい、など人間関係を築いていく中でも子どもの発達段階が今どこにあるのかを知ることはとても大切なことなのです。
3歳児は、まだ一人遊びを好む子どもに、集団遊びを好む子どもなど様々です。ブロック・つみきなど一見個々の遊びのように感じますが、お城を造っているとぼくも・わたしも!と、興味を示し協力し合って一緒に造る事が出来てくる時期でもあります。その子どもの特徴を捉えた上で早い遅い、出来る出来ないにこだわり過ぎず、一人ひとりが安心して成長できる保育を目指していきたいですね。