保育園では、子どもと共に保護者の支援も必要とされてきています。近年よく耳にする「保護者支援」という言葉ですね。でも保護者の支援って一体何をするの?子どもの成長を一緒に見守るパートナーとして保育士がいるのではないの?と思いますよね。では保護者支援とはどういうことなのか見ていきましょう。
保護者支援の意味
保護者支援とは、そのまま文字の通り保護者を支援するという事。
実際に「保育所保育指針」第6章に「保育所における保護者に対する支援の基本」にも記載されています。
- 保育に関する知識や技術などの保育士の専門性や、子どもの集団が常に存在すること等の保育環境など、保育所の特性を生かすこと
- 保護者とともに、子どもの成長の喜びを共有すること
- 一人一人の保護者の状況を踏まえ、子どもと保護者の安定した関係に配慮して、保護者の養育力の向上に資するよう適切に支援すること
- 子育て等に関する相談や助言に当たっては、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者一人一人の自己決定を尊重すること
などが挙げられています。
各園で実施されている保護者支援の内容例
- 保護者の想いに寄り添う事
- 保護者を〇〇ちゃんのお父さんお母さんではなく一人の人間として接する
- 子育ての軽減をという意味で保育園で用意できる物は保育園で用意(例えば、お昼寝の布団・シーツ・タオル・マークなど)
- 毎日の準備するものを減らす
- 親子行事、参観日などの日にちの配慮
など、保護者が育児を負担と思わず楽しく行っていけるように支援をしています
保育園で保護者支援をおこなう目的
保護者支援の目的は、子どもたちときちんと向き合ってほしいと思う願いでもあります。
保護者も毎日仕事で疲れており、家に帰ってご飯の用意に子どもの事をしないといけないと考えるだけで「自分の時間がない!」と、追い込まれる方もおられます。その態度は子どもにも伝わり、お迎えに来てくれて嬉しいと喜んでいる気持ちが、お母さんは笑ってくれていない…と気づくと悲しい気持ちになってしまいます。
そこを援助・フォローをするのも保育士のお仕事。
保護者に子どもの成長を見守ることはもちろんですが、家での様子や保護者の困っていることを聞き出し少しずつ改善に導いていく計画を立てましょう。そこで子どもの変化・成長を感じることが出来たら保護者の頑張りも認め褒めてあげましょう。
この時に注意しておきたいのが、上から物事を伝えてしまうことです。
自分は良かれと思い話していることが、保護者にとって不快な思いをさせているときもあるので、保護者と共に子どもの成長を促す内容であったりするときは、同じクラスの先生や主任の先生に、こんな話をしようと思うと相談した後に、保護者に伝えましょう。
ちょっとした伝え方で保護者との距離が離れていくこともありますので発言には注意が必要です。
保護者支援の課題
保護者は子どもの成長に対して敏感にもなってきており、少し基準の発達から遅れると、個人差があると伝えても大体の基準はやはりあるので気にし続けています。
いつになったらできるようになるの!?と聞かれても明確に答えることは正直できないですよね。その際に保育士が出来ることは、他にもいるという事例を出して保護者を安心させること。
ここでセンター・病院などを進めても受け入れないのが親です。発達が遅れている…でも子どもは病院などに連れていく必要ない。
寄り添う気持ちが裏目に出ることもあるので、ほんとに注意が必要です。デリケートな問題。先生だから知ってるでしょ、という保護者の思い。
保護者と歩んでいくうえで信頼関係があってもなかなか受け入れられない内容でもあるでしょう。そのポイントを逃さないように日々の記録や様子を保護者に伝えていき、気持ちを落ち着かせましょう。
子ども同様、保護者にもタイプがあります。保護者に寄り添う事は基本と考えたうえで、その保護者が何を求めているのかをまずは汲みとることが必要ですね。ただただ愚痴を聞いてほしい方・子どもの相談など、求めているものは違います。保護者が普段話されているたわいもない話にも耳を傾け向き合っていきましょう。